00_weblog_default_js

  • // JavaScript Document

fyb_switch_to_sp_js

« ヨコハマ ストーリー  第38回 「私の新横浜ラーメン博物館物語」 | メイン | ヨコハマ ストーリー  第40回 「私の弘明寺物語」 »

2006年12月22日 (金)

ヨコハマ ストーリー  第39回 「八景島物語」

391

ヨコハマストーリーは、FMヨコハマで2005.4.5~2006.3.26(毎週日曜日 出演:小林節子)に放送された番組の脚本再録です。

魅力あふれる街、ヨコハマ。
この街が、世界の表舞台に登場したのは、今からおよそ150年前。ペリー艦隊が来航したときから、その歩みは始まりました。そして今もヨコハマは、ユニークな街であり続けています。そんなヨコハマの由緒あるスポットを舞台に、物語と音楽で紡いでいく『ヨコハマ・ストーリー』。今日は「私の八景島物語」

横浜の南に位置する、金沢八景。この金沢という地名は、鎌倉幕府を継ぐ、北条氏の分家、金沢北条氏の所有する土地だったことに由来する。かつては、武蔵国六浦庄金沢(かねさわ)と呼ばれていたが、今では「かなざわ」と言われている。江戸時代初期、中国の高名な僧侶「心越禅氏」がこの金沢の地を訪れたときに、海岸の風景が中国で景観の素晴らしさを誇る「瀟相八景」にそっくりだと思った。そのことを歌にして詠んだところから「金沢八景」という名が生まれたとされている。
1993年、横浜八景島シーパラダイスがオープンした。水族館、レジャー施設、ホテルなどからなる複合型遊園地、シーパラダイスは、その景観の素晴らしさをそのままに、市民のみならず、多くの観光客に愛されている。毎年、2月に行われる横浜国際女子駅伝の折り返し地点としても、知られている。

 海に浮かぶクリスマスツリーを見てみたいと思った。
横浜八景島シーパラダイス。高さ7メートルに及ぶブルーのクリスマスツリーが、湾内に浮かんでいるという。いくつもの青い光りが、水面にも反射して、夜は、ことのほか幻想的だろうと想像した。
 寒そうだから嫌だという友人を誘い出して、八景島に行った。園内は、カップルや家族連れで賑わっていた。まるで海の中にいるようなアクアチューブも圧巻だったが、潮風に吹かれて過ごした「ボードウォーク」での時間も心地よかった。八景島桟橋から島を回る船に乗った。15分ほどのクルージング。海から八景島を見ると、どこか遠くに旅したような気分にさせてくれた。
 遠い昔、キリスト教の布教をしていたセント・ニコラスという神父が、ある街で、とても貧しい家をみつけた。彼は、見るに見かねてその家の窓から金貨を投げた。その金貨は、偶然、暖炉の傍に干していた靴下に入った。そうして始まったとされるクリスマスプレゼント。私は、ニューヨークのある新聞に掲載された有名な社説が好きだ。
 「サンタは、ほんとうにいるの?」という八歳のバージニア・オハロンちゃんの質問に対する答え。
 「この世に、思いやりや愛があるのと同じように、サンタも存在します。見たことがないからといって、いないといえますか?」
八景島に夜がきた。シーパラダイスの青く光るクリスマスツリー。集うひとの笑顔にも、ネオンが映っている。輝く海に、優しい気持ちが浮かんで見えた。来年もまたいい年になりますようにと思っていたら、夜空に花火が舞った。空と海に、色がはじけた。

今日の「私の八景島物語」はいかがでしたか?出演、小林節子 脚本北阪昌人でお送りいたしました。「ヨコハマ・ストーリー」また来週をお楽しみに・・・

392393394_2