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2014年2月

2014年2月28日 (金)

アジアン・ロック通信<77>

Humanfolk_1st

                                       

いつの間にやら水はお店で買うことが普通となり、空気清浄機が売れ続ける世の中になってしまった。細かな原因や事例を挙げるまでもなく、そのほとんどは、国や民族間の争い、そしてその人類のみの利益、発展を追求したことによる。この地球上には人類以外にも多くの生命が共存しているのだが、公害は止まることを知らず、生態系に大きな影響を及ぼしている。

 さて、今回ご紹介するのはフィリピンのジャズ・ギタリスト、Johnny Alegreを中心としたプロジェクト、HUMANFOLKの2011年のデビュー・アルバム『HUMANFOLK』だ。

 まず、この作品に関わったメンバーが凄い。エスノ系、そしてアヴァンギャルド・ジャズのパーカッショニストとしてその名を馳せるSusie Ibarra、彼女の夫でラテンやクレツマーの要素を取り入れたジャズ・ドラマーのRoberto Juan Rodriguez。さらに、サウンド・デザイナー、エレクトロ系ミュージシャンとして有名なMalek Lopez、シンガー・ソングライターで多彩な楽器を操るCynthia Alexander、フィリピンのプログレ界を支えるFUSEBOXXのAbby Clutario。現在、住んでいる国や演奏する音楽はバラバラだが、その筋では著名なフィリピン系のミュージシャン達ばかりが参加した、言ってみればスーパー・プロジェクトである。

 もとはと言えば、Johnny AlegreとSusie Ibarraとのちょっとした共同記録だったようだが、次第に、上記のミュージシャン達が入れ替わり参加して一枚のアルバムを作り上げたという。作曲作詞を手掛けるのはJohnny Alegreだが、お分かりの通り、普段彼らが活動している場所は別の世界である。二人が最初に行ったことは、フォーク・ギターやゴング等のアコースティック楽器を使用して演奏をする中から互いに信頼できる共通点を探っていく作業だったと言う。それを基盤として、多種多様多彩なミュージシャン達がカホン、ベース、ギーボード、チャップマン・スティック、ガンサ、シンセ、クリンタン、トンガトン、レイン・スティック等を駆使しながら、エスニック・フュージョンとも言える世界を構築している。しかし、一曲、現代フィリピンのアルファベットのルーツとなった古典的なタガログ語のアルファベットを使用した5ビートのフォーキーでポップな曲「Para Sa Tao」が収められている。Johnny Alegre曰く、この“HUMANFOLK”に込めた意味は、“アジア人であり、フォークをルーツとして持っているがそれは現代の都会的なものである”という。まさにこの言葉通りの音が本作には込められている。

 この『HUMANFOLK』はその功績が認められ、フィリピンのレコード業界から「Best World Music Recording」という賞を与えられた程だ。

 Johnny Alegreは住む世界の違う音楽家を集め、古来からあるものと現代的なテクノロジー、そして民族としてのルーツを保ったまま都会的なアレンジを行い、互いが心地よく収まりの良い場所を見つけることに成功した。彼はアーティスティックな試みとしてこのHUMANFOLKを続けているが、彼の行っている実験は、人類がとるべき道、地球上の生物が上手く共存できるその方法を示唆しているともいえる。

 なお、夕暮れ時に舞う鳥達とそれを追いかける子供たち。この郷愁を呼び起こすアルバムのアートワークには、人類と自然の繋がり、そして自然界と現代社会の繋がりが描かれているとJohnny Alegreは話してくれた。

             

                                                       <小笠原和生>

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2014年2月27日 (木)

CHTHONIC東京公演セットリスト

2月26日・渋谷TSUTAYA O-EAST公演のセットリストです。

1.Arising Armament~Set Fire To The Island

2.Legacy Of The Seediq

3.Oceanquake

4.Supreme Pain For The Tyrant

5.Southern Cross

6.Kaoru

7.Rise Of The Shadows

8.Forty-Nine Theurgy Chains

9.Instrumental

10.Next Republic

11.Broken Jade

12.Rage Of My Sword

13.Sail Into The Sunset's Fire

[Encore 1]

14.Ichiban(METAL CLONE X)

15.Quell The Souls In Sing Ling Temple

[Encore 2]

16.Defenders Of Bu-Tik Palace

17.Takao

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2014年2月26日 (水)

リリース・インフォメーション(2月第4週)

2月26日発売

METAL CHURCH/GENERATION NOTHING

SHEAR/KATHARSIS

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2014年2月24日 (月)

オンエアー・リスト(2月23日放送分)

1.NOTHING TOUCHES/VANDENBERG'S MOONKINGS

2.SAILING SHIPS/VANDENBERG'S MOONKINGS

3.HERE I GO AGAIN/WHITESNAKE

4.THE FEAR WITHIN/HATRIOT

5.HEAVEN INTO HELL/SHEAR

6.THE FUNNIEST MAN ALIVE/A.C.T

7.START A FIRE/DOGFACE

8.FAREWELL/ALMAH

9.TUESDAY'S GONE/LYNYRD SKYNYRD

10.SIMPLE MAN/LYNYRD SKYNYRD

11.FREE BIRD/LYNYRD SKYNYRD

12.ANGEL/AEROSMITH

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2014年2月22日 (土)

METAL NEWS WEEKLY(2月第4週)

・マーティ・フリードマンの新作『Inferno』が、4月30日発売予定。

・SKID ROWの19年ぶりとなる来日公演に、EARTHSHAKERがサポート・アクトとして参戦決定。

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2014年2月19日 (水)

リリース・インフォメーション(2月第3週)

2月19日発売

VANDENBERG'S MOONKINGS/VANDENBERG'S MOONKINGS

A.C.T/CIRCUS PANDEMONIUM

ADRENALINE MOB/MEN OF HONOR

CYNIC/KINDLY BENT TO FREE US

HATRIOT/DAWN OF THE NEW CENTURION

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2014年2月17日 (月)

オンエアー・リスト(2月16日放送分)

1.LUST AND LIES/VANDENBERG'S MOONKINGS

2.RAISE THE SUN/ALMAH

3.KING FOR A DAY/PRIMAL FEAR

4.THUNDER FROM THE MOUNTAINS/IRON SAVIOR

5.SERVANTS OF METAL/STORMWARRIOR

6.THE FIGHT IS NEVER WON/ANVIL

7.DOWN THE ASHES RAIN/POISONBLACK

8.OVERTURE~THE TEMPLES OF SYRINX/RUSH

9.FINEM MILLENIUM/ETHEREAL SIN

10.BLOODY EMPIRE/THOUSAND EYES

11.IT'S MY LIFE/BON JOVI

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2014年2月16日 (日)

番宣

2週連続大雪とは!!!

そんな中、羽生くんが日本勢今大会初の金メダル!!!その効果でゲイリー・ムーア「パリの散歩道」が、大きな話題に!!!

そしてあの佐村河内氏は、どこまで嘘をついているのか!!?

と、今週の旬な話題を無駄に挙げてみましたが、そういったタイムリー感はあえて出さずにお送りする、「ROCK DRIVE」。こんな寒い夜には、お薦めですよ~。

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2014年2月15日 (土)

METAL NEWS WEEKLY(2月第3週)

・METALLICAのカーク・ハメットがDEATH ANGELの最新ライヴに客演。2月8日にサンフランシスコで行われた<Fear FestEvil>にてBLACK SABBATHとMETALLICAの楽曲を共演。

・MAGELLANの中心人物であるガードナー兄弟のひとり、ギター/ベース奏者のウェイン・ガードナーが2月10日に死去。享年48歳。

・ジョー・リン・ターナーがドラマーのカーマイン・アピス、ベーシストのトニー・フランクリン、ギタリストのジェフ・ワトソンと組んだ新バンドがLEGACY XからRATED Xと改名。デビュー・アルバムは5月発売予定。

・MEGADETHのサ マソニ初参戦が決定。

・ANTHEMからヴォーカルの坂本英三が脱退。バンドはまた森川之雄(Vo)、田丸 勇(Dr)の加入を発表。

・LACUNA COILからギタリストのマルコ・ビアッツィとドラマーのクリスティアーノ・モツァッティが脱退。

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2014年2月14日 (金)

アジアン・ロック通信<76>

Dogma_under_dogma

アルメニア共和国。その国はあまりにも日本から遠く、イメージは湧きづらいかもしれない。酒好きにはブランデー(またはコニャック)が有名だが、あとは、アルメニア系アメリカ人のSerj Tankian。ドラマーにはシンバル・メーカーZildjianがトルコにいたアルメニア人発祥ということで何となく馴染みはあるかもしれない。バンドでいえば、OAKSENHAMやNOR DAR辺りもマニアには知られているが、DOGMAというエスニック・プログレッシヴ・バンドもアルメニアというイメージと強く結びつけてもらいたい。

 以前、こちらでもデビュー作を紹介したが、2013年末にセカンド・アルバムとなる『Under Dogma』を発表したので、再度触れておく。

 バンドは元々、MDPとして90年代初頭から17年間活動していたギタリストのHeno GrigoryanとベーシストのVardan Grigoryanの二人がMDP解散後、エスニック・フォークの要素をより鮮明に取り入れた曲を演奏する事を目的としてDOGMAを立ち上げる。そこに当時は無名といってもいいZara Gevorgyanという女性ヴォーカルと、ARAMAZDやTITANというバンドでドラムを叩いていたDerik Vardumyanが加わり、2008年にスタート。

 当時、まだMDPは解散したばかりだったが、友人や関係者を集め、サプライズ的にDOGMAという新たなバンドを披露した。民族色を強く打ち出したメロディとヘヴィさの融合。さらにZaraの神秘的な佇まいと魅惑のパフォーマンスに集まったものたちは度肝を抜かれたという。MDP自体も独立後のロック・シーンにおいて活躍していたバンドではあるが、より土着性、国民性を意識したDOGMAは、この日からまさに“アルメニア・ロック”界の重要なバンドとなるのである。

 2009年末にバンドは待望の『Ethnic-Methnic』というデビュー・アルバムを発表。大手流通会社は通していないものの、近隣のヨーロッパはもちろんのこと、アメリカ、カナダ、そしてここ日本からも反応があり、バンド自身も驚いたようだが、その後、ZaraはJETHRO TULLのIan Andersonのステージに招待されて歌を披露したり、ドイツのWave Gotik Treffenというフェスティヴァルへも参加。さらにはMITメディアラボのTod Machoverが指揮を執る『A to A:The World in Harmony』というミュージカル・プロジェクトでも演奏しており、その活動はなかなかに順調なようだ。

 しかしながら、今回の『Under Dogma』が発表されるまで4年とは少々長かった。何かあったのではないかと思ってその理由を聞いてみたが、大きな事件があったわけでもなかった。実は、彼らは自分たちのスタジオを持っており、自分たち以外のミュージシャンにも解放しているのだが、アルメニアで開催されるDEEP PURPLE、URIAH HEEPなどを始めとする多くの大物ミュージシャンのコンサートの主催も務めていて忙しかったというのがその主な理由のようだ。実際、アルバムを制作するだけの曲は十分にあったので、ファースト・アルバムを発表後、すぐにレコーディングを開始したものの、何度も中断する羽目になってしまい、結局は最初からやり直す事にしたらしい。

 確かにアルバムの間隔は空いてしまったが、そのことが生み出した良い面は大きい。その間にステージやリハーサルを通して幾度となく演奏することによって、楽曲をより理解し自分たちのものにした上でレコーディングに挑むことが出来たのだから。

 その結果が『Under Dogma』にある。

 各パート、詰める所は詰め、整理する所は整理されているようで、一切の無駄なくまとまっていると思うが、熟れた感じが一番顕著なのはZaraの歌だろう。このバンドをDOGMAたらしめているのは、すべての楽曲を書いているギタリストのHenoであることはまず疑う余地がない。しかし、このDOGMAというバンド、現在の誰が欠けてもDOGMAでなくなってしまう堅固さと危うさが共存しており、特にZaraの歌なくしてはHenoの楽曲も今程の輝きは得られないだろう。そのZaraの表現力。つまり、息づかいや声色を含めた部分の、そして神秘性を保った迫力。より柔軟により深いものとなっているのは彼女が母親になったことも関係がないわけでもないだろうが、この才能はアルメニア・ロック・シーンきっての逸材であることは間違いない。

 楽曲自体はすでに以前から準備されていた曲であるし、その曲が書かれた方法もファースト・アルバムに収録されていたものと変わらないということだが、今回のポイントはよりエスニック/フォーク要素を色濃く鮮明に浮き上がらせている点。エスニック美を極めたかのような「Hori-Loro」や「Joyspread」などはヘヴィな要素はなく、アコースティックで完全にフォーク/トラッドの様相を呈している。そして、もうひとつはキーボードの導入が新たな要素として挙げられる。しかし、それは決して派手なものではなくダークなアンビエント要素として極さりげなく曲の中に溶け込む形だ。

 すべての楽曲で咲き乱れるアルメニア独自のメロディではあるのだが、陽気になるようなものは少なく、全体的に影を背負っている。これは決して平穏な時代が長かった国ではないからこその薄暗さと重さと、そこはかとなく漂う冷めた感じなのか、それとも…。矛盾しているようだが、楽曲は起伏に富んでいるし、Zaraの歌には心が通い、演奏には血が通っている。それに誤解してもらっては困るが、DOGMAの音楽は絶望的なものではない。荒廃した中に生命の温もり、闇の中に光がいつも宿っている。そこに気付くかどうかで印象はだいぶ異なったものになるだろう。

 今回バンドは、アルバムから「Melancholy」という曲をビデオ・クリップに選んでいる。この曲はちょうど、東日本大震災が起こった時に書いていたもので、直接は何の関係もないらしいが、メンバーはその出来事に深い衝撃を受けたことによって、その時の気分がかなり楽曲に反映されているという。モノクロでシンプルに撮影されたその作品はタイトル通り、メランコリーそのもので、余計な映像ギミックを使っていない分、ストレートにその表現しようとするところが視聴者に伝わって来る。一度は観てみるだけの価値のあるビデオ・クリップだ。

 アルメニアには彼ら以外にもプログレ・バンドや、メタル・バンドは存在しているが、DOGMAの登場によって、より母国の特色を打ち出したメロディ、さらにはアルメニア語を使用するロック/メタル・バンドが増えたという。DOGMAはアルメニアのロック・シーンを支え、これまでの既成概念や定説、教義を飲み込み新たなる視点と道を提示している重要なバンドのひとつといえる。

                                                     <小笠原和生>

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