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2014年1月

2014年1月31日 (金)

アジアン・ロック通信<75>

Simon_yong_1st_solo

21世紀になってからのシンガポールを代表するプログレッシヴ・メタル・バンドのひとつと言えば、それは確実にZERO SEQUENCEだ。そのギタリストであり、メインの作曲者であるSimon YongとキーボーディストのJoanna Limがバーの箱バンとして演奏しているというので、フラリと遊びにいった事があるが、会場は想像以上ににぎわっており、熱気に包まれていた。演奏していた曲の大半はカヴァーだったが、彼らがメンバーとなっているバンドの演奏は非常に優れていて、馴染みの曲の数々を違和感なく楽しめたことを記憶している。

そのショウの後、ZERO SEQUENCEの次回作について尋ねると、Simon Yongは「素晴らしいメンバー達と一緒に、まずはソロ・アルバムを作るよ。」と言ってた。それが2年前、いや、もう3年程前の事だろう。最初は私もかなり気になっていたが、なかなか表立った動きもみられず、月日の流れとともにそれは記憶の底へ埋もれていってしまったほど。

しかし、 Simon Yongは地道に制作を続け(約3年!)、2013年夏に『Alien Stole My Whiskey』というユニークなタイトルのギター・ソロ・アルバムを発表してくれた。

 蓋を開けてみると、Simon Yongが本作のメンバーに選んだのは、常日頃、クラブやバーで箱バンとして共に演奏している仲間達であった。キーボーディストにはZERO SEQUENCE、KINGS、Shirlyn & The UnXpectedで活動を共にするJoanna Lim。ベーシストはKINGSで共に活動するYazeid Rahman。ドラマーはシンガポールでもトップ・クラスの腕前を誇るBrandon Khoo。彼はShirlyn & The UnXpectedでも一緒に演奏しているが、ZERO SEQUENCEのアルバムにもゲスト参加しているし、何よりも、90年代に作品を残した数少ないシンガポールのプログレッシヴ・メタル・バンド、APHELIONのメンバーでもあるのも興味深いところ。

 さらに、GOODFELLASのNal(ベース)、ジャズ・プレイヤーの Kerong Chok(キーボード)、KINGSを始めあらゆるバンドで活動するHelman Kamal(パーカッション)、そして米国へ渡り活躍するマルチ・インスト・プレイヤーの才女、Joan Chew(エレクトリック・ヴァイオリン)といったメンバーをゲストとして迎えて制作されている。

 さて、その内容だが、確かにZERO SEQUENCE的、もしくはDREAM THEATERが築いたプログレ・メタルのスタイルを踏襲している部分もある事にはあるが、もっとフュージョンよりであり、スティーブ・ヴァイやフランク・ザッパ、ジョー・サトリアー二辺りの雰囲気も所により醸し出している。しかし、重要な点のひとつは、ギターのみに焦点を絞っているわけではなく、各パートの役割のバランスは保たれ、曲名通りのイメージが見えるような表現をすべての楽器を用いて形にしている。「An Ancient March With The King’s Pipers」は、古代の王の威厳や貫禄といったものを感じ、「Seismic Waves」は、まさに地震波のその伝わり具合を表現している。さらにタイトル・トラックの「Alien Stole My Whiskey」は、エイリアンが人類から酒を奪って酔っぱらいながら自由奔放に飛び回るかのような表現もなされている。アルバムはアーコスティカルなワルツ長の曲もあったり、バラエティにも富んでいるが、表現力のある楽曲を書けるギタリストであるとも言える。

 そしてもうひとつの重要な点は、絆が生み出す音。メンバーの歳の頃や、その活動歴を鑑みると、そろそろそろ演奏も成熟期へと差し掛かる。そして、そんな彼らは常に音を合わせているメンバーであり、お互いの事を、そして間合いを理解し合っている。だからこそ、凝ったアンサンブルやフレーズも緊張感は漂わせつつも楽しんで演奏している姿が浮かぶ。実際、彼らのステージは常に笑顔があるのだが、この録音されている音を聴いているだけでも、それが思い浮かぶというのは凄いことではないか。一流のセッション・ミュージシャンを一時的にかき集めてもこの音は出せない。ある程度バンド活動を行った経験がある人なら、この作品に憧れと、ちょっとした嫉妬を感じるかも。

 シンガポールではまだ、数枚のギター・ソロ作品しか発表されていないけれども、これは良作。大人の味わいのするフュージョンよりプログレッシヴ・ロック/メタル作品を楽しめる。

 今年はソロ第二弾に取り掛かるという話。ということは、ZERO SEQUENCEとしてのアルバムはしばらくお預けですね……

                                                   

                                                      <小笠原和生>

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2014年1月29日 (水)

リリース・インフォメーション(1月第5週)

1月29日発売

ARTILLERY/LEGIONS

LOVER UNDER COVER/INTO THE NIGHT

TRANSATLANTIC/KALEIDOSCOPE

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2014年1月27日 (月)

オンエアー・リスト(1月26日放送分)

1.PARADISE(WHAT ABOUT US?)/WITHIN TEMPTATION

2.NEVER PRAY FOR JUSTICE/PRIMAL FEAR

3.THNDER AND STEELE/STORMWARRIOR

4.RESISTANCE/ICED EARTH

5.TIME AND TIME AGAIN/SEVENTH KEY

6.RAISE THE SUN/ALMAH

7.IRON MAIDEN/IRON MAIDEN

8.REMEMBER TOMORROW/IRON MAIDEN

9.JUST LIKE THE PHOENIX/AZORIA

10.WHERE ANGELS PLAY/RING OF FIRE

11.PS.I MISS YOU/WIZARDS

12.HOT CHERIE/HARDLINE

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2014年1月26日 (日)

番宣

1月最後の「ROCK DRIVE」…って、1か月経つのはやっ!

まあ書くことは毎度の通り、「聴いてね」ってことぐらい。

聴かない人には平手打ち3発!…なんて、ことはないので(当たり前)、安心してください。

2014年1月25日 (土)

METAL NEWS WEEKLY(1月第4週)

・TOTOでも活躍したシンガーのファーギー・フレデリクセンが1月18日に死去。ファーギーは2010年にすでに手術が不可能な状態である癌を患っていると公表。享年62歳。

・ガス・G.の初ソロ・アルバム『I Am The Fire』が、3月26日発売。

・「KABUTO METAL」にEYEHATEGODの参戦が決定。

・BLACK LABEL SOCIETYのニュー・アルバム「Catacombs Of The Black Vatican」が、4月9日発売。

・SPIRITUAL BEGGARSの来日公演が決定。関東近郊の日程は、4月8日(火)・恵比寿LIQUIDROOM

・Kelly SIMONZ's BLIND FAITHの最新作「BLIND FAITH」が、3月26日発売。ゲストに元ガルネリウスYAMA-B、コンチェルトムーン・島紀史などが参加。

2014年1月22日 (水)

リリース・インフォメーション(1月第4週)

1月22日発売

WITHIN TEMPTATION/HYDRA

ICED EARTH/PLAGUES OF BABYLON

PRIMAL FEAR/DELIVERING THE BLACK

RING OF FIRE/BATTLE OF LENINGRAD

SEVENTH KEY/I WILL SURVIVE

SKULL FIST/CHASING THE DREAM

SUICIDAL ANGELS/DIVIDE AND CONQUER

VOIVOD/WARRIORS OF ICE

2014年1月20日 (月)

オンエアー・リスト(1月19日放送分)

1.SILVER LAKE OF TEARS/RHAPSODY OF FIRE

2.CANNIBAL IN SUITES/ALMAH

3.WHOLE WORLD IS WATCHING/WITHIN TEMPTATION

4.DEATH BY THE BLUES/POISONBLACK

5.THEY'RE ARE CALLING YOUR NAME/RING OF FIRE

6.DON'T STOP THE FIGHT/SKULL FIST

7.I WILL SURVIVE/SEVENTH KEY

8.FOREVER(LIVE)/Y&T

9.FABULA AETERNUS~ENDLESS PROVIDENCE/ODIN

10.GUNNER,THE LAST BLAST/GUNBRIDGE

11.THREAD OF THE LIGHT(ALBUM VER.)/BRIDEAR

12.HOT CHERIE/HARDLINE

2014年1月19日 (日)

番宣

いよいよセンター試験の季節ですか。

我が「ROCK DRIVE」のリスナーの中にもきっと受験生がいることでしょう。

以前にもこのブログで書きましたが、私の経験上、メタルは受験に有効!

「合格したら、時間の制約なくメタル聴きまくってやるぜ~」という気持ちをモチベーションに、見事、春を迎えることを願っておりますよ~。

2014年1月18日 (土)

METAL NEWS WEEKLY(1月第3週)

・CYNTIAが、3rdアルバム「Limit Break」を2月12日にリリース。

・ALDIOUSが、3月にワンマンライヴを開催。関東近郊の日程は、3月29日(土) 東京・表参道GROUND。

・TESTAMENTからベーシストのグレッグ・クリスチャンが脱退。後任ベーシストには1998〜2004年に在籍したスティーヴ・ディジョルジオが復帰。

・SKID ROWが22年ぶりとなる来日公演を開催。日程は、4月14日(月) ・渋谷TSUTAYA O-EAST。

・RED DRAGON  CARTELの初来日公演が決定。関東近郊の日程は、7月9日、10日・渋谷クラブクアトロ。

・RHAPSODY OF FIRが12年ぶりの来日公演を開催。関東近郊の日程は、6月12日(木)に渋谷・TSUTAYA O-EAST

・RIOT Vがマーク・リアリに代わる新ギタリストの加入を発表。新たに加わったのはNYのギタースクールで教えていたという26歳のギタリスト、ニック・リー。

2014年1月17日 (金)

アジアン・ロック通信<74>

 

Rockerz_sangkakala

世界のあちらこちらで栄光の80年代を彩ったバンド達が復帰してマニアを喜ばせているが、マレー界で絶大な人気を誇った正統派メタル・バンドのひとつ、シンガポールのROCKERZもまたシーンに帰ってきている。

 元はROCKERSとして『Kekejaman』(1988年)、『Harakah』(1989年)、『Andalusia』(1990年)とアルバムを発表。80年代後半から90年代初期にかけてのマレー・ロック/メタル界のトップ・バンドのひとつとしてその地位を築いた。その後、バンドはしゃがれただみ声(バラードの時はナイーヴ)の個性的なヴォーカリストJohanを袂を分かつ事となり、若干のメンバー・チェンジを行いROCKERZと改名、『Dukun』(1991年)を発表するも1993年に解散するのである。ただ、「Kekejaman」、「Memori」、「Harakah」、「Kesedaran」、「Terguris Kelukaan」、「Rayuan Syaitan」、「Andalusia」、「Perjuangan」、「Gagasan」、「Kesatria」、「Dukun」、「Cinta Alam Fantasi」、「Sengketa」、「Bunga Bumi」等を始め、その他にも多くの名曲を残してきたROCKERS/ROCKERZはマレー・ロック・ファンの間では20年もの間、世代をこえて語り継がれてきた。

 そんなROCKERZが新たなメンバーを迎えてライブを始めたという時点で多少驚いたが、昨年末に『Sangkakala』なるシングルを発表したことに心を動かされるものがあった。ここに彼らの本気度と決意を感じたのだ。

 今回の復活に関してメンバーはオリジナルであるギタリストのRashidとドラマーのIrmanを中心に、『Dukun』でヴォーカルだったJumaatがベーシストとなり、新たにSalikinというギタリストにBobobというヴォーカリストを迎えた5人組だ。

 シングル『Sangkakala』には、約7分にも及ぶ壮大でドラマ性がありながらコーラスは非常にキャッチーな新曲「Sangkakala」と1991年のアルバムから「Dukun」を再録した2曲が収録されているが、「Sangkakala」は約20年の時を経ても時代に翻弄される事なく往年のROCKERS/ROCKERZ節が健在。楽曲も演奏も放たれるオーラもそのすべてが紛う事なくROCKERS/ROCKERZだ。時代の潮流がどうであれ、彼らはマレー・ロック黄金期のバンドのひとつとして揺るぎない生き様をここに見せつけている。

 この度、ライブを体験してメンバーとも面識を持たせて頂いたが、一時代を築いた悠然とした様と未だ衰える事なく迸るエネルギーに、今一度現在のシーンに爪痕を残せるだけの力を確かに感じる事が出来た。

 「ファンは新しいアルバムを待っていると思うけど」と言うと、ギタリストのRashidは「まずはEPを制作することにトライしてみるよ」と答えたが、間違いなくマレー・メタルの手本となるような作品を届けてくれると確信できるだけのパフォーマンスとその精神を見せてくれた。

 ROCKERZの活動を見つめてふと思う。移り変わりが激しい今の状況において、時代に沿わないもの、仕事でもある程度の年齢以上になると不要とされてしまう現場も少なからずあるようだが、あまりにも愚かだ。また、周りに翻弄され進むべき道を迷うこともあるかもしれない。しかし、自分にしか出来ない事を愚直なまでに貫いてみるのは誠に美しいものだ。

 彼らはまさにロッカーズだったということが、今この時代に証明された。はたして私たちはこのような生き方ができるだろうか。新たな年の始めに聴くには最高の1曲といえる。

 

                                                      <小笠原和生>

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