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2012年2月 3日 (金)

アジアン・ロック通信<40>

C_lament_1st_2011

昨年の東日本大震災で莫大な義援金を届けて日本を支援してくれた台湾。 大航海時代にFormosaと呼ばれた島。そこは、かつて日本でも高砂国として知られていた地。最近では、日本でもかなりの人々が台湾を意識するようになってはいるが、CHTHONICが傑作『高砂軍』というアルバムを昨年リリースしていることから、メタル・ファンにとってはさらに身近に感じる存在かもしれない。

すでにご承知の通り台湾は、オランダ統治、鄭氏政権、清朝統治、日本統治、その後も南京国民政府、台湾国民政府の独裁政治があり、その間の民族紛争等、とてもここでは簡単に説明できないほど複雑な歴史を歩んできている。この数世紀、強大な外圧に翻弄され、今でも中国から政治的、軍事的脅威にさらされている、その台湾から、昨年末にとても興味深いバンドがデビュー・アルバムを発表した。

その名はCRESCENT LAMENT。彼らはその悲しく暗い、けれど僅かな希望の光が揺らいでいるような台湾の歴史から生まれる独自の感情を、女性ソプラノを有するゴシック・メタルで表現しようというのだ。

バンドの結成は2007年2月28日。台湾の2月28日といえば平和記念日だが、それは台湾大虐殺、つまり二・二八事件が元になっている。台湾人なら誰しもが感じている平和への願い、二度と繰り返していはいけない歴史。それを意図して彼らはこの日を選んでいるのだ。

結成の翌年、バンドはすぐに2008年にはEPやデモを発表しているが、その後はフル・アルバム制作のために3年の歳月を費やすことになる。その綿密に練られたアルバムが2011年11月に発表された『Behind The Lethal Deceit』だ。このアルバムはバンドの想いである反戦をテーマにしており、バンド側が創作したとある戦争物語を通して、聴手に平和について考える機会を与えている。

「徴兵されたジョセフは恋人のケイトを祖国において8月に兄弟のアルフレッドと共に激化する戦地へと送り込まれる。ジョセフはケイトとクリスマス旅行を計画していたが、戦争を指揮する者の話では冬が来る前にはこの戦争は終わるという話があり、それを信じていた。けれども悪化の一途をたどる戦場。ケイトは一人、戦地から遠く離れた静かな思い出の場所で、何処にいるかも知れないジョセフを心配して悲しみに暮れる。けれどもジョセフから送られた12月24日付の手紙にはアルフレッドの訃報が、そしてその直後の12月31日付の手紙には周囲を敵に包囲されたジョセフからの最後の言葉が記されていた」

戦時中、貪欲な独裁者の駒として弄ばれた、ごくありふれた一人の若者とその恋人を中心に描かれる救いのない物語だ。メイン・ソングライターであるドラマーのKomet Chouは、台湾の歴史的背景と共通項の多い90年代に起こったユーゴスラビア紛争に触発されて、調和のとれた共生の大切さと暴力の愚かさを伝えるために、この独自の物語を書き上げたという。

かなり細部まで感情移入して創り上げられた作品だが、楽曲自体も情念が込められており、ギターとリズムで戦場の激しさや緊張感、ケイトの悲しみ、ジョセフの嘆きといったものが、悲観に濡れたMuer Chouのソプラノ、愁傷的なピアノやヴァイオリンの旋律で物語の場面場面を鮮烈に表現している。ここまで胸の内に入り強烈な印象を残す悲劇的なメタルもそうは存在しないだろう。是非、歴史的背景を踏まえながら『Behind The Lethal Deceit』に込められた彼らのメッセージを考えてみて欲しい。

CHTHONICのDorisも台湾の推薦できるバンドのひとつとしてCRESCENT LAMENTの名を挙げているようだが、久しぶりに感情を揺さぶられる作品に出会った。

                                                                            <小笠原和生>

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コメント

いつも楽しくブログを拝見させて頂いています♪

質問なのですが…(汗)

先週のリクエスト大会でジャーニーと言うバンドのバラードが流れてから一気にファンになってエクリプスを買ってしまいました(o・v・o)

するとライナーノーツにキャプテンが書いていたのでビックリしましたぁ~♪

そこで、ヴォーかるのアーネルは三人目のヴォーカリストだとしりました♪

そこで、ジャーニーとバンドの歴史やお勧めアルバムを教えて下さいm(__)m

よろしくおねがいいたします。
(o・v・o)

>恵美さん

番組及びブログのチェック、ありがとうございます!

ジャーニーについては、以前にも同様のご質問を頂きました。

なにせデビューしてから35年以上のキャリアを誇る大ベテランですので、詳しい歴史は新たにCDを買った際、ライナーノーツなどを参照してもらうして(ちなみにほとんどのカタログでキャプテンがライナーを担当しています)、ここではつたないながらあくまで「入門編」として、ざっくり簡単な説明をさせて下さい。

まず結成されたのは、1973年。アメリカ・サンフランシスコにて、サンタナというグループのメンバーだったギタリストのニール・ショーンとキーボード兼ヴォーカルのグレッグ・ローリーが中心となって活動をスタートさせ、75年にアルバム・デビュー。

初期は楽器隊の高度なテクニックをフィーチャーした、時に複雑な曲展開も含む、プログレッシヴな音楽性を披露していました。

そんなジャーニーに大きな転機が訪れたのが77年。

専任シンガーとしてスティーヴ・ペリーが加入すると、それまでとは打って変わり、スティーヴの伸びやかなハイトーン・ヴォーカルを中心としたハード・ポップ・サウンド…要は現在に通じる音へと方向転換。

これが大成功したことで、以後は作を重ねるごとにどんどんアルバム・セールスを伸ばしていき、キーボードがグレッグ・ローリーから現在のジャーニーの中心メンバーの1人であるジョナサン・ケインにチェンジした81年の「エスケイプ」で遂に全米No.1を獲得。

80年代前半はシーンのトップに君臨しますが、大成功の反動からか、86年のアルバム「レイズド・オン・レディオ」を最後にいったん活動休止してしまいます。

各メンバーはソロやそれぞれのバンドを率いて活動した後、95年に「エスケイプ」の頃のラインナップで再結成。

翌96年にアルバム「トライアル・バイ・ファイアー」を発表しますが、ツアーを行なうことなくスティーヴ・ペリーが脱退。

結局バンドは後任にスティーヴに似たタイプのスティーヴ・オージェリーを迎えて活動を続けていきますが、2006年に今度はオージェリーが喉の不調のため離脱。

2007年にyoutubeで見つけたフィリピン人シンガー、アーネル・ピネダを後任シンガーとして加入させ、翌2008年にアルバム「リヴェレーション」をリリース。これが全米最高5位のヒットを記録し、見事にバンドとして復活。

その好調ぶりをキープして昨年リリースされたのが、恵美さんもチェック済みの最新作「エクリプス」という訳です。

と、簡単と言いつつ結構長くなってしまいましたが(汗)、なんとなく彼らの歴史、お判り頂けましたでしょうか?

ちなみに上記の文章を追ってもらうとわかるのですが、現シンガーのアーネルは、正確にはグレッグ・ローリー、スティーヴ・ペリー、スティヴ・オージェリーに続く「4代目シンガー」ということになります。まあ初代のグレッグはキーボード奏者でもあったので、ヴォーカル専任ということでは3人目なのですが…

歴代シンガーの中で最も認知度、人気が高いのは、なんと言ってもスティーヴ・ペリーで、アーネルもその前のオージェリーも「ペリーのように歌える」という観点から選ばれた模様。

ですので、まず過去のアルバムをチェックするならペリー・ヴォーカル時代のアルバムが無難かと思います。

中でも1枚ということでしたら、初の全米No.1を獲得した有名曲目白押しの名盤「エスケイプ」(81年)になるでしょうか。

個人的にはペリー初参加の「インフィニティ」(78年)も、よりロックしていて大好きな作品です。

以上、こんな感じでお役に立てましたでしょうか?

ホント、ジャーニーに関しましてはキャプテンこそが日本有数の語り部なので、今後も同様のお問い合わせがありましたら、番組の方でもジャーニー特集など組めるよう、お願いしておきます(笑)。

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