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2006年4月14日 (金)

横浜・明日への提言(2) ジャンク・フード その①

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横浜エフエム放送株式会社
代表取締役社長 藤木幸夫

(著者紹介:現在、藤木企業株式会社 取締役会長兼社長、 株式会社横浜スタジアム取締役会長、横浜港運協会会長、神奈川県銃器薬物水際排除推進協議会会長、神奈川県野球協議会会長、社会福祉法人希望更生会理事長、小さな親切運動神奈川県本部代表等の役職にあり、平成元年4月に藍綬褒章受章、平成10年11月に横浜文化賞を受賞。)


前回述べた「技術の継承」ということでいえば、子どもの発育上好ましくないという理由でイギリス政府がジャンク・フードの広告を規制する動きを見せていると聞いて、私は思わぬところに原因を見出して強い衝撃を受けた。
 脂肪・カロリーの高いスナック菓子類、清涼飲料、糖分の高いアイスクリームなどをひっくるめて「ジャンク・フード」という。これらが子どもたちの肥満を助長し、従来は成人病に位置づけられた糖尿病、高血圧、心臓病、狭心症、身体能力低下などが、若者たちの心身を蝕む諸悪の根源として槍玉に挙がったというのである。まだ社会へ出ないうちから若年糖尿病などの思いもよらない事態で闘病生活を余儀なくされる、あるいは借金地獄に陥ってしまう――こういう気の毒な若い人たちが現実に激増している。技術の伝承どころか、世の中の食の構造改革から始めなければならなくなった。
健全な精神は健康な体に宿ると古くからいわれてきた。私たちは一日三食の暮らしを当たり前に繰り返しているが、問題は食事の取り方である。好き嫌いを基準にして明日なき食事とするか、人生を逞しく生き抜く健全な体をつくる不断の営みとするかで自分の人生の明暗が分かれるとしたら、だれであろうと「この一食」をなおざりにはできまい。だから、子どもが健康に育つうえで食の体験を無視するわけにはいかない。
この世で最も恐ろしいことは、危険を知らされないまま被害者にさせられることだ。
 飽食の時代とか飽食社会といわれている。平和な時代が高度成長をうながし、豊かな暮らしが飽食生活をもたらしたことは確かである。しかし、平和万歳、ゆたかな暮らし万歳を叫ぶ前に、わずかながらでも立ち止まって「ちょっと待てよ」と考え、テレビCMなどを用いて次々と仕掛けられるジャンク・フード攻勢によってもたらされる生命の危険に思いを致す必要がありはしまいか。
どうしたら身を危険から守ることができるか、次回は少し掘り下げて考えるとしよう。