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2018年8月 6日 (月)

YES! For You 今回のテーマ「建築環境」

毎週月曜日は「YES! for you」。
環境未来都市・横浜から「素敵な生活」を実現するためのヒントを発信していきます。

今日は、
東海大学 工学部建築学科 教授 
岩田利枝先生 が登場!!

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いま夏休み真っ最中ということで、多くの学生さんたちも聴いていると思うのですが、
工学部建築学科。どういったことを学ぶ学科なのでしょうか?
建築学科というと、皆さん普通の建築設計を想像されると思うのですが、
日本の建築学科は、そういう設計に関わるような計画系と呼ばれる分野と
それから構造などをするエンジニアリングですね。工学系と呼ばれる分野が
含まれているんです。両方が。で、いま建築学部になっている大学もあるのですが、
そういう融合したような学科になっています。工学系の中には、構造とか材料、施工。
それから環境設備というようなまた更に分野があってで私はその環境設備の中でも、
本当に基礎的な分野の環境工学というものを教えています。建築環境を割と数値的に
計算していくという意味で、環境工学という風に私たちは普段言っているんですね。


その建築環境は、住環境とは違うのですか?
工学部あるいは建築学科の中では住環境というよりは、提供者側。供給側の立場として、
色んな人達にとって、あるいは、色々な外界の条件にとって良いものを作っていく
という形で、住環境というと、自分たちが受けるものというような認識だと思います。
あくまでも不特定多数の人に、あるいは世界中の様々な気候の中で建築環境として
どう作ればいいかっていう様な、もっと広がったところにあるようなものだと考えます。

気象そのものを扱う訳ではないのですが、気象の振れによって室内環境をどういう風に
うまく適応させていくかっていう様な事とか、あるいはもうちょっと狭い地域ですね。
都市環境とかいわゆるヒートアイランドのようなものは完全に建築の方に責任も
ありますので、そういう時に建てていくときにどうやって風の道を確保するかなど
そういう事を考えていきますね。ですから、いま狭い環境の快適性の為に他の環境を
犠牲にしてはいけないっていう考え方なので、入れ子構造という風に言っているのですが
人から、室内環境、狭い環境から地球環境へと広がっていく中でのやり取りですね。
エネルギーや廃棄物のやりとりとかいう事を大きく考えるような学問領域だと思います。


そうなると、私たちは、受け手だとは思うんですけど、建築環境っていうのも、
凄く関わりがあるんだなって思いますね。
そうですね。やっぱり建築は、自然と人に間に建てているものですから。どっちの事も
考慮しないといけない。人の事もそれから外界。地球そのものも考慮していかなければ
成り立たないものなので、建築はすべての人に関わるものだと思います。気象も非常に
違いますし、それから文化の違いとか様々な事がありますので、その場所で作られる
建築の環境を作ることのできる建物っていうのは、もうそれぞれが違った形でベストに
なるっていう事ですね。ちょっと説明が難しいんですけど、まあある意味芸術的な所も
あるんですけど、じゃあ、北海道でいいものは、沖縄でいいのかっというと、
また違ったりするんで、建築の美しさって、その環境の中とか、それから地盤とか
構造もふくめるんですけども、様々な面で美しさって出てくるんですよ。それから
日本は新築が好きなんですけど、やはり使われているうちに価値が上がってくるよう
建築っていうのが本当にこれからは100年建築とか言われるように、そういったものを
めざしていくものになると思いますね。



先生は、ご専門としてはどういった事を研究なさっているんですか?
環境の中でも特に人への影響ということを環境の作り方ということで、人体影響。
生理的な影響だけではなくて心理的な影響とかそういう事も考えていくという様な
分野、学問で、そこらへんが専門で、熱環境とか音環境とか空気環境とか光環境
という風に環境も色々物理的な要素で分けて、人間側としては、五感ですね。
聴覚・嗅覚・視覚・皮膚感覚とかですね温熱感覚とか、乾燥感とかそういう事ですね。
そういった私たちが受ける感覚と、それから物理的な環境の関係を研究して、
じゃあどういう環境を作ってやったら良いかっていう様な事を考えていくという様な
研究ですね。やっぱり難しいのは、外界があるじゃないですか。地球環境というか
都市環境とか、屋外が。それで昼と夜があって夏と冬があって、人間の方も実は
生理リズムが変化しているんですね。で、一定の環境を提供してそれがいいです
という訳ではないんですよ。で、そのあたりが一つは非常に難しい所。
もう一つは無茶な話なんですけども、私たち平均的な人間の反応を想定して
やっているんですけど、実際にはそんな平均的な人間っていないですし、
乳幼児とか身近な所では高齢者とか、ある環境がすべての人にいい訳ではない
じゃないですか。そういうことも配慮していくというのも、建築環境ならではの課題ですね。







…と、お話してくださいました。