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ミステリー Feed

2016年9月23日 (金)

許されようとは思いません

表紙 購入
芦沢央(あしざわ・よう) 著
新潮社
1,600円(税別)
ISBN978-4-10-350081-0

曾祖父を殺した祖母の「許されようとは思いません」という言葉の真意は。ミスを隠蔽しようと嘘を重ねる営業マンの前にあらわれたのは。ステージママならぬステージグランマが聞かされる孫の本心とは。物語が進んでいくのと同じ速度で、読む側の気持ちもどんどん追いつめられてゆく。だけど(だからこそ)やめられない、5つの作品を収めた短篇集です。

2016年8月26日 (金)

拾った女

表紙 購入
チャールズ・ウィルフォード 著
浜野アキオ 訳
扶桑社
950円(税別)
ISBN978-4-594-07507-1

場末のカフェで働くハリーは、泥酔して店にやって来たブロンドの小柄な女性ヘレンと恋に落ちる。手元にあるのは200ドルだけ。アル中のヘレンと、やはり酒を飲まずにはいられないハリーの暮らしはたちまち行き詰まり、2人は死を決意するが…60年以上前に書かれた哀しい恋の物語。読後もう一度ページをめくると〈あなたとあたしは同類なんだし、そういうのってなんとなくわかるものなの〉というヘレンのなにげない台詞などいくつもの場面が、初読のときとは違う「哀しさ」で迫ってきます。

2015年11月30日 (月)

まるで天使のような

表紙 購入
マーガレット・ミラー 著
黒原敏行 訳
創元推理文庫
1,200円(税別)
ISBN978-4-488-24709-6

塔に住む新興宗教の修道女に、オゴーマンという人物を探してくれと頼まれた私立探偵クイン。オゴーマンが住んでいた小さな田舎町では、5年前に彼が行方不明になったのとほぼ時を同じくして女性銀行員の横領事件が起きていた。クインは彼をとりまく人物たちの人間関係に迫って行くが…〈愛というのは苦労に耐えられる若さがあるときだけ、パンチをかわしたり、カウント8でなんとか立ち上がれたりするときだけ、可能なのよ〉というオゴーマンの妻の言葉がラスト近くでフラッシュバックします。新訳で復刊された名作ミステリー。

2015年10月26日 (月)

シンデレラの告白

表紙 購入
櫻部由美子 著
角川春樹事務所
1,300円(税別)
ISBN978-4-7584-1272-8

15世紀末のヨーロッパ。婚期を逃した器量の良くない姉妹は、再婚が決まった美貌の母とともに荘園から大都市へと移り住む。新しい家族は、絹織物商の義父と病弱な12歳の美少女。彼らとの生活の中で、姉はドレスの仕立人として、妹は食糧調達人としてそれぞれの技量を発揮する。やがて2人は社交界で、ある恐ろしい噂を耳にするようになり…たくさんのシンデレラが出てくるミステリーであり、自分の価値を自分で築き上げる女子の物語でもあります。最後の1ページまで楽しめる、新人のデビュー作。

2015年10月19日 (月)

ゴミと罰

表紙 購入
ジル・チャーチル 著
浅羽莢子 訳
創元推理文庫
720円(税別)
ISBN978-4-488-27501-3

お隣に住む裕福な友人、シェリィの家で掃除婦さんが殺された!3人の子を持つシングルマザー、ジェーンは「あたし、推理小説たくさん読んでるから」と探偵役を買って出る。その日は朝から、主婦仲間たちが夜の集まりのための手作り料理をシェリィの家に三々五々持ち込んでいた。ってことは、友人の中に犯人が?…ジェーンが醸し出すバリバリの生活感が読者のシンパシーを呼ぶコージーミステリー。人気シリーズ「主婦探偵ジェーン」の第一弾です。

2015年10月12日 (月)

ブエノスアイレスに消えた

表紙 購入
グスタボ・マラホビッチ 著
宮﨑真紀 訳
早川書房
2,300円(税別)
ISBN978-4-15-001895-5

ブエノスアイレスの地下鉄で、4歳の娘モイラがお手伝いの女性とともに失踪。妻との関係に悩む建築設計士ファビアンの人生は暗いトンネルに入り込む。重要な手がかりが見つからない中、彼の前に現れたのは宮殿に事務所を構える探偵ドベルティ。彼と共にファビアンは娘を探し始めるが…ファビアンの苦悩をページを費やしてじっくり描いているからこそ、物語にどっぷり浸れる600頁のミステリー。表紙の模様が事件の真相のヒントになっています。

2015年8月31日 (月)

薔薇の輪

表紙 購入
クリスチアナ・ブランド 著
猪俣美江子 訳
創元推理文庫
940円(税別)
ISBN978-4-488-26203-7

女優エステラの人気は、その美貌と、身体の不自由な娘ドロレスとの交流を綴った新聞のエッセイによって支えられていた。しかしギャングの夫がドロレスに会おうとしたことにより、ドロレスは行方不明になり、殺人事件も起きてしまう。有能だが昇進を断り続けて来たチャッキー警部は、ある仮説を立てて事件の謎を追うが…結末が意外ではないということが特徴と言ってもいいのかもしれない、読者も予測を立てられるミステリー。チャッキー警部と奥さんの会話がほのぼの感を添えていて、エステラ側との対比が鮮やかです。

2015年8月17日 (月)

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

表紙 購入
丸山正樹 著
文春文庫
650円(税別)
ISBN978-4-16-790420-3

家庭の事情で手話を身につけざるを得なかった元警察職員の荒井尚人は、必要に迫られ43歳にして手話通訳士の資格を取得する。彼の前にもたらされたのは、17年前、彼が過去に一度だけ手話通訳をしたある事件につながるもうひとつの事件の情報だった。NPO法人代表の若く美しい女性と仕事を通じて知り合った尚人は、思いがけず「現在の事件」に巻き込まれることになり…ミステリーであるのと同時に、手話はひとつではないことやコーダという言葉の意味など、知っておくべきことをページを費やして教えてくれる作品です。

2015年5月 4日 (月)

ヴァイオリン職人の探求と推理

表紙 購入
ポール・アダム 著
青木悦子 訳
創元推理文庫
1,080円(税別)
ISBN978-4-488-17805-5

殺害された親友トマソが掴んでいたのは、ストラディヴァリウスの幻の名器に関する情報だったのか? 63歳のベテランヴァイオリン職人ジャンニは、息子的存在の刑事とともに謎を追う。ジャンニが抱えるある秘密、したたかなディーラーに強欲なコレクター、そして名器を巡る根深い疑惑。世の中に存在する「古く価値あるもの」の価値とはなんだろうと思わずにはいられない楽器ミステリー。大人の恋模様も織り込まれています。

2015年3月30日 (月)

孤島の鬼

表紙 購入
江戸川乱歩 著
角川ホラー文庫
667円(税別)
ISBN978-4-04-105334-8

婚約者の木崎初代が密室で殺害され、犯人探しと復讐を誓った箕浦。知人の探偵・深山木は大きな手掛かりをつかみながら、鎌倉の砂浜で初代と同じ方法で殺されてしまう。箕浦は自分に想いを寄せる研究者・諸戸道雄を疑うが…閉鎖的な禍々しい世界、畸形、暗号、恐怖の冒険、そしてマイノリティの悲しみ。乱歩のエッセンスが全部入った85年前の長篇です。