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直木賞受賞作 Feed

2012年7月19日 (木)

鍵のない夢を見る

表紙 購入
辻村深月 著
文藝春秋
1,470円(税込み)
ISBN978-4-16-381350-9

しつこく言い寄ってくる、いたたまれないほど不器用な男にたまらない嫌悪感を感じつつ、昔はもてていたという「実績」と田舎町の空気、捨てきれない意地と焦燥に絡め取られ煮詰まっていく36歳の笙子。彼女の辛らつさと悔しさが近しいものに感じられる「石蕗南(つわぶきみなみ)地区の放火」など、自分の心のふちを爪先立ちで歩いているような女性を主人公にした5つの短篇が収録されています。第147回直木賞受賞作。

2011年7月19日 (火)

下町ロケット

表紙 購入
池井戸潤 著
小学館
1,785円(税込み)
ISBN978-4-09-386292-9

エンジンメーカーとして高い技術力を誇ってきた町工場の佃(つくだ)製作所に2つの災難がふりかかる。大口顧客からの取引の停止、そしてライバル企業が仕掛けてきた90億円の特許訴訟。会社存続の危機の中、大企業の帝国重工から意外なオファーが。それは社運をかけたロケット開発にどうしても必要な、エンジンの特許を譲ってくれというものだった…メーカーの矜持と自分の夢を守るために社長の航平が下した決断が熱いフィナーレへと繋がっていきます。第145回直木賞受賞作。

2011年1月18日 (火)

月と蟹

表紙 購入
道尾秀介 著
文藝春秋
1,470円(税込み)
ISBN978-4-16-329560-2

鎌倉に近い海辺の町。学校に馴染めない小学五年生の慎一は、ただひとりの友人の春也とヤドカリを貝からいぶり出す遊びを繰り返していた。やがてそれはヤドカリを「ヤドカミ様」という神様に見立て、神様を身から「出す」ためにヤドカリを焼く遊びに変わってゆく…自分の内側の残酷さを致し方なく増長させてしまう子どものこころを、道尾さんが心をこめて描いた作品だと思います。直木賞受賞作。

2010年6月24日 (木)

小さいおうち

表紙 購入
中島京子 著
文藝春秋
1,660円(税込み)
ISBN978-4-16-329230-4

生涯独身で過ごした大正生まれの布宮タキは、女中時代の忘れがたい思い出を綴る。東京郊外にあった「赤い三角屋根の洋館」の平井家での様々なできごと。友だちのように接してくれた時子奥様、玩具会社の重役だった旦那様、奥様の連れ子の恭一ぼっちゃん、そして…昔を懐かしく振り返る回顧もの、にはおさまらない中身の濃さ、読みやすさ。物語の中の小さな波がひとつの大きなうねりとなって押し寄せる最終章は、圧巻です。

2009年1月21日 (水)

利休にたずねよ

表紙 購入
山本兼一 著
PHP研究所
1,890円(税込み)
ISBN978-4-569-70276-6

信長、秀吉という2人の天下人に仕えた茶頭、千利休。1591年、秀吉の勘気に触れて切腹を命じられた利休は、自らの手で命を絶つその日、50年前に殺したある女のことを思い出していた…切腹の日から時を少しずつ遡りつつ、様々な人物の視点で利休という一筋縄ではいかないキャラクターを浮かび上がらせた直木賞受賞作。結末が分かっているのに先が気になるという不思議な感覚が味わえる、王道のエンターテインメントです。

2007年10月29日 (月)

戦いすんで日が暮れて

表紙 購入
佐藤愛子 著
講談社文庫
490円(税込み)
ISBN4-06-131272-3

理想主義者であるがゆえに現実に対処できない夫の借金2億3千万を返すため、女流作家瀬木アキ子は家財を売りまくり小説を書きまくり、金を借りまくっては返しまくる。夫や債権者に対する怒りが無力感と諦念に収斂していくまでの「戦い」を描いた、切実な滑稽さ漂う約40年前の直木賞受賞作。ラストシーンの文章の美しさが心に残ります。

2007年7月26日 (木)

吉原手引草(よしわらてびきぐさ)

表紙 購入
松井今朝子 著
幻冬舎
1,680円(税込み)
ISBN978-4-344-01295-0

凄みのある美しさ、人を見抜く目、一本筋の通った<張り>。それら全てを兼ね備えた吉原随一の花魁・葛城(かつらぎ)。まるで神隠しのように吉原から消えた葛城を巡って、女衒や幇間(たいこもち)や番頭、芸者らが重い口を開くとき、最高の花魁の驚くべき秘密が明らかになる…直木賞にふさわしい第一級のエンターテインメントです。吉原というシステムのルールや業界用語などが分かりやすく文章に溶け込んでいるので、時代小説をこんなにするする読めちゃうなんて!という驚きと快感が味わえます。

2007年7月23日 (月)

テロリストのパラソル

表紙 購入
藤原伊織 著
角川文庫
620円(税込み)
ISBN978-4-04-384701-3

江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞した95年のこの出世作で多くの人の心を掴んだ藤原伊織さん、今年の5月に59歳で逝去されましたが今もファンを続々と獲得しています。新宿の爆破テロで昔の恋人と友人を喪った中年バーテンダーの島村が突き止めた、恐ろしくも悲しい事件の真相とは。脇役も全員物語の核の部分に関わっている、緻密に練り上げられたハードボイルドの名作です。

2007年1月 8日 (月)

ナポレオン狂

表紙 購入
阿刀田高 著
講談社文庫
540円(税込み)
ISBN4-06-136235-6

記念館を造ってしまうほどの超ナポレオンマニアの男が、ナポレオンの生まれ変わりだと名乗る男に出会ってしまったら…ぞくりとする結末の表題作「ナポレオン狂」、結婚を3日後に控えた男の現実が夢と交錯する「捩れた(ねじれた)夜」など、ブラックな味わいの短編13作を収めた1979年の直木賞受賞作です。気分転換したいときに最適の一冊。

2006年4月19日 (水)

まほろ駅前多田便利軒

表紙 購入
三浦しをん 著
文藝春秋
1,680円(税込み)
ISBN4-16-324670-3

東京の南西部、海から遠いが山間部でもなく、夜はヤンキーが集う「まほろ市」で便利屋の看板を掲げている多田啓介。数十年ぶりで再会した高校時代の変人同級生、行天春彦とともに、まほろ市住民の様々な「ちょっとした困りごと」を引き受けるうち、やっかいな事件に巻き込まれて…?40間近の独身男2人の、少しいびつでほろ苦い友情物語です。どこかオダギリジョーさんのイメージもある飄々とかろやかなキャラクター行天、女子の心をグッと掴んでしまいそう。