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海外の漫画 Feed

2014年6月30日 (月)

ポリーナ

表紙 購入
バスティアン・ヴィヴェス 作
原正人 訳
小学館集英社プロダクション
1,800円(税別)
ISBN978-4-7968-7195-2

6歳で入学したバレエスクールで名指導者ボジンスキーに見出されたポリーナ。大劇場付属の学校で学びつつ、ボジンスキーの個人レッスンを受け続けていた彼女は、あるとき学校からも師からも離れ、恋人とともに新進のダンスカンパニーに飛び込むが…子どもだったポリーナの顔・身体がなめらかに明らかに成長してゆく絵の魅力、時間と空間の操作、そしてラスト近くのちいさな衝撃。本を閉じるとき、読者はきっと最後のページのポリーナと同じ表情をしているはずです。

2013年8月13日 (火)

塩素の味

表紙 購入
バスティアン・ヴィヴェス 作
原正人 訳
小学館集英社プロダクション
2,940円(税込み)
ISBN978-4-7968-7159-4

グレーがかった、黄色がかった、様々な色味のブルーが描く、プールを舞台にしたボーイミーツガール。水に乗る、潜る、漬かる、それらの感覚を2人の距離感とシンクロさせた、青一色を基調としている表題作に対し、同時収録作「僕の目の中で」は、視界に映る恋人の一挙一動、くるくると変わる表情をありったけの色を使って描き出しています。気まぐれキュートな女の子を好きになったことのある男子なら、きっと共感してしまうはず! タッチも絵柄も違う2つの作品を収めた、フランスの若手漫画家による注目の作品です。

2013年7月 3日 (水)

スヌーピーの50年

表紙 購入
チャールズ・M・シュルツ 著
三川基好 訳
朝日文庫
735円(税込み)
ISBN978-4-02-261434-6

1950年から50年に渡って新聞連載された全世界的コミック『PEANUTS』。著者のシュルツさんが自分と『PEANUTS』の歴史を振り返ったこの本は、グッズは持ってるけどマンガは読んだことがないという方にも長年のファンにもお勧めできる保存版です。悲哀と笑いの関係、子どもしか登場しない理由、繰り返し描いてきた「定番」の場面、まじりっけなしに優しい主人公チャーリー・ブラウンへの想いなどについて語るシュルツさんの言葉の誠実さ。可愛いだけじゃないスヌーピーの魅力をぜひ味わってください。

2012年5月10日 (木)

鶏のプラム煮

表紙 購入
マルジャン・サトラピ 著 渋谷豊 訳
小学館集英社プロダクション
1,890円(税込み)
ISBN978-4-7968-7106-8

イランの伝統弦楽器タールの有名奏者だったナーセル・アリは、大切なタールを妻に壊され死を決意する…彼が埋葬されるまでの8日間を、1日ずつ、過去のみならず未来も映し出しながら追っていく、イランの女性漫画家による作品。筋はシリアスなのに喜劇的雰囲気が漂うのは、生=喜び、死=悲しみでは必ずしもないということがあらゆる場面に盛り込まれているからです。最初の1ページが「死の理由」だと最後に分かる構成も巧みな、素朴な絵の中に滑稽さとせつなさが詰まった漫画です。

2011年12月22日 (木)

アライバル

表紙 購入
ショーン・タン 著
河出書房新社
2,625円(税込み)
ISBN978-4-309-27226-9

トランクひとつを持ち、不穏な影が迫る自国から新しい国へ移住した男性が、言葉も食べるものも全く違う土地に自分を少しずつ馴らし、やがて妻と幼い娘を呼び寄せる、というストーリーを文字をいっさい使わずに描いた絵本。最初の1ページを見ただけで丁寧な画が醸し出すあたたかな陰影に心掴まれます。異国のあるユニークなシステム(?)に思わず笑いがこぼれてしまう、オーストラリアの作家による驚異の作品です。

2011年10月27日 (木)

表紙 購入
パコ・ロカ 著 小野耕世・髙木菜々 訳
小学館集英社プロダクション
2,940円(税込み)
ISBN978-4-7968-7091-7

認知症の兆候が出てきたため老人ホームに入れられた元銀行マンのエミリオ。施設の2階には「自分で自分のことができなくなった」老人たちが暮らしている。小狡いがなにかと世話を焼いてくれる同室のミゲルの助けを借りて、エミリオはなんとか2階へ行かないよう努力するが…老いを直視したスペイン発のコミックです。ユーモアと悲しみと温かさが絡まって全編に存在し、最後の数ページにはマンガならではの表現方法だからこそ伝わってくる静かな衝撃が待っています。

2009年8月 7日 (金)

風が吹くとき

表紙 購入
レイモンド・ブリッグズ 作 さくまゆみこ 訳
あすなろ書房
1,680円(税込み)
ISBN978-4-7515-1971-4

「スノーマン」で知られる絵本作家が漫画風の手法を使って丁寧に描いた、滑稽で静かな悲劇。田舎でのんびり暮らす老夫婦を主人公に、彼らが危機感のない会話を交わしながら核シェルターを暢気に、どこか楽しげに作るという物語を通して、核戦争そのものだけでなく無知であることの怖さを訴えてきます。老夫婦の愛らしさは、この作品が放つ恐ろしさとイコールかもしれません。