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2016年12月

2016年12月30日 (金)

バンド臨終図巻

表紙 購入
速水健朗 円堂都司昭 栗原裕一郎 大山くまお 成松哲 著
文春文庫
980円(税別)
ISBN978-4-16-790759-4

サブタイトルは「ビートルズからSMAPまで」。1960年代から年代順に、バンドやユニット、アイドルグループの解散の経緯を網羅した資料的な意味合いもある1冊。お金、ドラッグ、恋愛、マネージャーとの齟齬、音楽の方向性の違いなどから生まれる(ときに泥沼の)崩壊への内部事情を読んでいくと、解散する方がむしろ自然なのではとすら思えてきます。191の濃密な人間関係の末路が詰まっています。

2016年12月23日 (金)

その雪と血を

表紙 購入
ジョー・ネスボ 著
鈴木恵 訳
早川書房
1,400円(税別)
ISBN978-4-15-001912-9

クリスマス間近のオスロ。殺し屋オーラヴがドラッグ密売人ホフマンから命じられたのは、ホフマンの妻コリアを始末する仕事だった。ところがオーラヴはコリアの姿を見た瞬間、恋に落ちてしまう。はぐれ者の冷え冷えとした孤独と不器用な優しさ、彼がこしらえる「物語」のぬくもりが胸に沁みとおる北欧発のノワール(暗黒小説)。オーラヴ(王)という名前の意味に色を重ねて呼応させた冒頭とラストの残酷な美しさが、いつまでも脳裏に残ります。

2016年12月16日 (金)

シャクルトンの大漂流

表紙 購入
ウィリアム・グリル 作
千葉茂樹 訳
岩波書店
2,000円(税別)
ISBN978-4-00-111260-3

1914年、冒険家シャクルトンは、27人の隊員と69頭の犬と共に木造船エンデュアランス号に乗り、南極大陸横断を目標にイギリスを出発した。厚い氷を舳先で割って、前へ前へと進んでいくエンデュアランス号。しかし船はやがて完全に立ち往生してしまう。約2年にも及んだ極限の冒険の物語を、若手イラストレーターが色鉛筆で畏敬の念を込めて描いた絵本。可愛らしさ、力強さ、いろいろなタッチがあって、どのページも時間をかけて見てしまいます。

2016年12月 9日 (金)

年月日

表紙 購入
閻連科(えんれんか) 著
谷川毅 訳
白水社
1,700円(税別)
ISBN978-4-560-09531-7

髪を焼くほどの太陽が照り付ける干ばつの年、72歳の先じいは畑に一本だけ芽を出したトウモロコシの苗を見捨てられず、村にひとり残る。相棒は痩せた盲目の犬、メナシ。自分と犬とトウモロコシを生き延びさせるため、ネズミと食料を奪い合い、水を得るためオオカミと戦う先じい。万策尽きたとき、彼がとった方法とは…心でメナシに話しかける先じいの言葉のたまらない優しさ。犬と老人の、これぞ絆の物語です。

2016年12月 2日 (金)

アルバート、故郷に帰る

表紙 購入
ホーマー・ヒッカム 著
金原瑞人+西田佳子 訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
1,600円(税別)
ISBN978-4-596-55203-7

ウエストバージニア州の炭鉱町に住む若夫婦、ホーマーとエルシー。諸々の事情で2人は、ペットのワニのアルバートをフロリダ州へ戻すため車で千キロもの旅をする。銀行強盗に遭ったり靴下工場のストに巻き込まれたり映画に出演したり、という珍道中の果てに、愛らしく賢いアルバートと、さて2人は別れることができるのか…?著者が両親の若い頃の話を物語に仕立てた、思い切り笑えて泣ける冒険もの。夫婦小説としても読みどころいっぱいです。