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2016年9月23日 (金)

許されようとは思いません

表紙 購入
芦沢央(あしざわ・よう) 著
新潮社
1,600円(税別)
ISBN978-4-10-350081-0

曾祖父を殺した祖母の「許されようとは思いません」という言葉の真意は。ミスを隠蔽しようと嘘を重ねる営業マンの前にあらわれたのは。ステージママならぬステージグランマが聞かされる孫の本心とは。物語が進んでいくのと同じ速度で、読む側の気持ちもどんどん追いつめられてゆく。だけど(だからこそ)やめられない、5つの作品を収めた短篇集です。

コメント

>読む側の気持ちもどんどん追い詰められてゆく。
言い得て妙です。
はい、追い詰められました。
自分のズルイところ、弱いところを
わざわざ取り出して、じっと見せられたような心地がします。

わかってるよぅっ、そういう悪いところがあるってことっ
でも、分かってるからこそ、普段は目をつぶって
見ないようにしてるんだってばっ!
って思わず口から出ちゃうような作品群ですね。
なのに、読みやすい文章と言う麻薬チックな罠。
ぞわぞわしながら、また読み返したくなるのは、
二月先生の絵画と通じるものがあるかもしれません。
あぁ…

http://kagamif.blog20.fc2.com/blog-entry-3563.html

表題作の「許されようとは思いません」の「動機」を「ありえない」と言ったのは男性の評論家でした。いやいや、十分、ありえますよねえ。地方ならなおさら。これ「許して欲しいとは思いません」じゃないのが、また絶妙じゃないですか?

芦沢さんの作品を読んだのは初めてだったんですが、要注目の作家のひとりになりました。

すごい。面白い。よくもまぁここまでリアルに書けたものだ。小説とわかって読んでいるがゆえに(巧い、巧いな)と口元に笑いまで湧いてきました。短編なのも良い。これを書いたのは女性?女性とは思いながらも性別の判別のしにくい名なのがまた。
鬱屈してた毎日に効きました。好きです。詳細をほどよく忘れたころにまたウヒャウヒャ読みたい。

浩子さんの講座で、読みづらい本をどうしているか、の話題のときに、自分は無理にでも読む、と言いました。本心を言うと、読みづらい本のときは読んでいる自分の姿に酔っています。学生時代に憧れた級友のクールな読書家さんに今自分もなれているのでは、と内容より自分を見ています。読みづらい本のときだけです。自己陶酔用に本棚に残してあります。でも読みづらかった本は忘れにくい。腑に落とそうと何度も思い返すからかもしれません。

あき子さん、コメントありがとうございます! 講座も来て下さってありがとうございました。嬉しかったです。

〈読みづらい本のときは読んでいる自分の姿に酔っています〉

分かります、分かります。自己陶酔用というのも(笑)。
ときどき、SNSのプロフィールなどに、愛読書はカラマーゾフとか百年の孤独と書いている人を見ると「すごい…」と思うのと同時に、愛読書と言うからには(人に説明できるくらいに)きちんと読みこんでるってことだよね?と一瞬思ってしまったりします。嫌ですねえ。

おっしゃる通り「読みづらい本って忘れにくい」んですよね。格闘しながら読んだ本は、自分の中に跡を残してゆくのだと思います。さ―っと読めてああ楽しかった!という本は、忘れるのも早いかもしれませんが、読んでいる時間、自分を楽しい気持ちにさせてくれたことは間違いない。読みやすい、読みづらい、どちらの本も世の中に、人の心に必要だと思います。

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