fyb_switch_to_sp_js

2016年9月23日 (金)

許されようとは思いません

表紙 購入
芦沢央(あしざわ・よう) 著
新潮社
1,600円(税別)
ISBN978-4-10-350081-0

曾祖父を殺した祖母の「許されようとは思いません」という言葉の真意は。ミスを隠蔽しようと嘘を重ねる営業マンの前にあらわれたのは。ステージママならぬステージグランマが聞かされる孫の本心とは。物語が進んでいくのと同じ速度で、読む側の気持ちもどんどん追いつめられてゆく。だけど(だからこそ)やめられない、5つの作品を収めた短篇集です。

2016年9月16日 (金)

キーパー

表紙 購入
マル・ピート 著
池央耿 訳
評論社
1,500円(税別)
ISBN978-4-566-02401-4

翌朝の新聞に載せる目玉記事を、辣腕記者パウルは書こうとしていた。ワールドカップ優勝、史上最高のゴールキーパーへの独占インタビュー。しかし彼は奇妙な話を始めた。「私は13歳のときから2年間、ジャングルの中ですべてを学んだんだ」──野性的で神秘的な森の描写、訓練や試合の模様が伝えるサッカーの奥深さ、脇役たちの名セリフの数々。ラスト数ページの美しい光景は頭の中で何度も反芻したくなります。サッカー版「フィールド・オブ・ドリームス」。

2016年9月 9日 (金)

罪の声

表紙 購入
塩田武士 著
講談社
1,650円(税別)
ISBN978-4-06-219983-4

京都で仕立屋を営む30代の曽根俊也は、父の遺品の中のカセットテープに幼い頃の自分の声が録音されていたことを知る。それはあの未解決事件の脅迫に使われたものだった。俊也は父の友人と共に真相を探り始める。一方、新聞社の中堅記者・阿久津も、特集記事を書くため事件を再取材していた…1984年に起きたグリコ・森永事件を題材にした小説。提示される仮説の説得力もさることながら、十字架を背負わされた子どもたちへの想い、背負わせた犯人への怒りが伝わって来る力作です。

2016年9月 2日 (金)

駆け込み寺の男 玄秀盛

表紙 購入
佐々涼子 著
ハヤカワノンフィクション文庫
680円(税別)
ISBN978-4-15-050474-8

親に虐待され続けた子ども時代、「恐怖で人を操る」ことでサバイバルし、やがて大金を稼ぐようになるものの、あることがきっかけで人助けに開眼、歌舞伎町で24時間無料であらゆる人の相談に乗り続けている玄秀盛さんを、佐々さんという書き手が書いたことに意味のある1冊。壮絶な過去を乗り越えて、という「分かりやすい、いい話」の中にはめ込むことのできない海千山千の人物の「生き延びる術」に圧倒されます。